後編:シルクドソレイユ「トーテム」に行ってきた!
日常生活日記 | シルクドゥソレイユ | 2016/2/27
~前回のお話はこちら~
シルクドゥソレイユに行くのを楽しみに過ごす日々。自然に顔がニヤケてしまいます。
風邪は治ったものの、腸にできた潰瘍は体の内側の動く場所なので痛い! 治すには自然治癒しかないようで、どうしても時間がかかるみたいです。
痛み止めを飲みながら治るまで我慢、我慢。
そんな状態で行く今日の目的地はお台場です。
本当はせっかくの旅なのであれこれ行ってみたかったのですが、途中で体調が崩れる危険があるので東京駅でお土産を買って、サーカスを観て帰ってくるだけの計画にしました。
ラーメン食べたかったなぁ。
夕方19:00からの公演なので、会場のお台場へは1時間前ぐらいに着くように行きました。
電車「ゆりかもめ」に乗っている間に夕焼けが過ぎ去り、降りた時にはすっかり暗くなっています。
案内表示に従って進むと、広場に明かりが見えてきました。
ライトアップされたテント「ビッグトップ」を見つけて、わくわくが増します。
海の近くなので風が寒い!体を震わせながら入り口へと向かいました。
19:00から始まって前半55分、休憩30分、後半55分、約2時間20分の公演時間です。
ビッグトップのテントの中に入場すると、演技場や座席がある場所の手前に広い空間があって、そこがお土産や食べ物を売る所になっていました。
そうか!サーカスのお土産もあったんだ! 東京駅で沢山買っちゃったと後悔。
終るのが終電近くて混みそうだから、先に東京駅でお土産を買ってしまっていました。ここは泣く泣く我慢。
「ランチボックス付きカツサンド」と「ホットドッグ」と「温かい飲み物」を買いました。
画像はカツサンドに付いて来たランチボックス。
タンブラー付きの飲み物がかなり気になったんだけど、お値段もなかなか良い金額だったので断念。
ホットドッグがとっても美味しかったよ!
座席は演技場の正面でした。
演技が始まる前にも、会場内のあちらこちらにパフォーマーが出て来て笑いが起こります。
お客さんと絡むパフォーマンスも面白い!
やがて会場が暗くなると、GMO株式会社の社長さんの挨拶がありました。
『1人で始めた会社が20年続けられた』との言葉があり、「自分は20年も続けられているものは無いなぁ」なんて思いました。
素敵な機会をくださり、ありがとうございます。社長さん。
演技が始まると、約2時間20分の時間は、あっという間に過ぎ去りました。
私が初めて「シルクドゥソレイユ」のサーカスを観たのは「コルテオ」でした。
コルテオを観終わった後、自分もハシゴをどこにも立てかけずに天まで登っていけそうな気がした。
トーテムを観て、自分はくねくねと体が動かせてバクテンしながら移動したり、5mぐらいジャンプできそうな気になった。
帰り道に飛んでみたら飛べるんじゃないかって、誰も見ていなかったら試してみたかもしれない。
観る前と観終わった後の自分は何も変わっていない。
何の能力も上がっていないし、バクテンなんて1度もやったこともない。
でも何だか自分にはやれないと思っていた事が、やれるのかもしれないと思える。
シルクドゥソレイユみたいに体は動かないけど出来る事をしよう。
今、少しだけ出来る事をがんばったら、きっともっとすごくなれるはず!
そう思えた素敵な時間でした。
1晩たっても浮足立つような、ほかほかした気持ちです。素晴らしかったぁ。
多大な努力の上に成る技術、本当に魅了されます。
しかし、それだけじゃなくて、幸せな気持ちを届けてくれるのがシルクドゥソレイユだと思います。
私は優れた技術で終わらず、エンターテインメントの心があるものが好きです。
シルクドゥソレイユと同じ感覚になれたと思うのが、子供の時にみた実演販売でした。
実演販売とは便利グッズなどを実際に使用している様子を、目の前で見せながら説明して売ってくれる販売方法です。
全国を回って実演販売をなさっている方のプロの仕事が素晴らしい!
滑らかな動き、巧みな話術、そして気持ちよく買ってもらおうというサービス精神。
見ていてわくわくしました。
品物を買うというよりも、プロの仕事にお金を払いたくなる。共有できた時間にお金を払いたくなる。そんな気持ちです。
大人になった今、ようやく買えるようになったのに、最近は実演販売見かけませんね。
残念だな。
気持ち良くお金を使いたくなる気持ちにさせるというのは『あなたでもやれる事』なんだよと、私に教えてくれたのが、アルバイトをしていたお店の店長でした。
私が社会に出て間もない頃。お仕事をさせてもらっていたお店の店長さんです。
その頃の私は周囲に反対された目標のために働き始めました。学校を卒業したばかりのひよっこで何もわからず、周囲の反対を押し切ったのだから失敗できない。
とにかく一生懸命! 真面目に! 完璧に!!!
落ち度は見せちゃいけないと気ばかり張っていました。
技術だけを追い求めているような状態ですね。
店長は「お客さんが一生懸命働いて手にしたお金なのだから、使う時には気持ちよく使いたいよね」そう言って笑いました。
技術だけでは気持ちよさは生まれないですよね。
そこに店員のサービス精神? とういうのかエンタメ精神? がなければ、ただ滞りなく消費しただけです。
別に何か特別な事を言う訳でもする訳でもありませんが、気持ちがあるという事の気持ち良さは代えがたいものがあると思います。
小さなお店なので店長と二人きりで店番とかよくやっていて、お客さんがいない時には語り合ったものです。
真面目に仕事しろって感じですが、その時語り合った事が後の自分を形作ったと言っても過言じゃないので、本当に感謝しています。
技術の洗練とエンタメ心を持ち合わせている人は、舞台の大きさに関係なく皆同じように尊敬できます。
自分もそんな人間になりたいなぁ。
ある日、甥っ子と小雨の中を歩いている時、いきなり走り出し彼はこう言った。
「俺は今、高速で動いている。だから雨は当たらない!」
雨は全弾被弾しているが、彼は清々しい顔をしていた。
シルクドゥソレイユを観ると、この気持ちがわかる。
私もそんな事をあの日の帰り道に思っていたから。
(完)
シルク・ドゥ・ソレイユ |
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日本語の意味は「太陽のサーカス」 カナダで設立されたエンターテイメント集団。人間の肉体の力を使った演技が特徴で会場全体を使った空間パフォーマンスが魅力的! |